ラジオ沖縄 令和3年度 第3回番組審議委員会議事録
- ◇令和3年6月20日(日) 委員各位へ審議番組音源、資料送付
- ◇開催場所:委員各位の自宅等
- ◇委員総数:7名 出席委員:4名
- 出席委員:委員/新城和博委員長、新城亘、島田勝也、ぐしともこ
- ◇放送事業者側出席者: 制作報道部・番組審議室 報道部部長兼番組審議委員会事務局長 小磯誠
制作報道部番組審議委員会/小橋川響
- ◇審議議題:「新唄(みーうた)大賞~今年もうたは生まれる~」聴取合評
- ◇5月30日(日)19:00~19:40放送の番組「新唄(みーうた)大賞~今年もうたは生まれる~」の放送内容について、各委員からレポートを提出していただいた。
局側説明
- ラジオ沖縄は開局以来、郷土の芸能文化の発展、継承のため、沖縄民謡の番組を放送している。
実は沖縄では民謡は過去のものではない。常に新しい民謡曲が生まれ、歌い継がれているのだ。
その民謡の“新曲”のコンテストが「新唄(みーうた)大賞」。
1990年から毎年開催され、31回目を数える。
歌詞は沖縄の言葉、ウチナーグチ。演奏も三線、箏などに限り、ギターや電気を使用する楽器は使えない。そして、この一年間に作られた“新曲”というのが応募の条件。
音楽のみならず、島言葉・ウチナーグチの継承・普及の役割も担い、グランプリ曲はCD化・配信のほか「ハワイオキナワフェスティバル」への派遣によりハワイでも披露される。(今年の派遣は未定)
しかし昨年の大会は延期。その後も、県内の感染状況にあわせ、延期を繰り返し、結局、安全な開催ができる見込みになったのは、一年後の今年2月であった。今年開催されなければ、もう新唄は新唄ではなくなる。そんな境遇で開催された大会で、どんな新唄が発表されたのか。
今、唄いたい。今、聴かせたい。出場者がうたに込めた想いは? 各賞・グランプリの行方は?
那覇市の琉球新報ホールで開催された2時間半を越える大会を、40分間のダイジェストで送る。今回の放送は、大会の意義を伝えるだけでない。今や全国一の感染地となり、閉塞感がつのる沖縄に、うたは必ず元気をくれる。沖縄で生まれたうたならなおのこと。そんな意図もあり、緊急事態宣言発出中、5月30日に放送した。
12名の出場者の新唄たちに宿る生命力が、きっと心に晴れ間を届けてくれるはずだ。
まとめ
・コンパクトにまとめることによって、新唄大賞の本質というか、魅力、価値がよくわかった。新唄大賞の紹介番組として全国で聞いてもらいたい内容
・新唄とはなにか。そこに込める思い、肝心(ちむぐくる)というしかない旋律とことばの響き、震えを、ドキュメンタリーとして制作することによってあらためてスポットライトがあたった気がする。
・出演者のそれぞれのコメントはぐっとくる。大賞受賞者の「チム(心)を動かす歌手になりたい」の言葉づかいが愛らしくもあり力強くもあり印象に残った。司会の二人も、大変さわやかで明るく、そして情持ちという感じで良かった。
・司会者が開幕時に新唄大賞コンテストの趣旨を説明してくれたのは、聴き手にも分かりやすかった。
・どの曲も、生活の体験を通したもので、身体からあふれ出る想いが、緊張感と共に伝わってきた。
・「いふーなむん」や「あいえな―」などの島言葉が、島唄を作る土壌なのだと改めて感じる。
・民謡というとどうしても年配の方を思い浮かべていたのだが、友達の結婚や家族への思い、焼けてしまった首里城を謡うなど、若い人たちが今の気持ちをうちなぁぐちにのせて 謡うということが今の時代を後世に伝えることになるのだと思った。
・沖縄ではうちなぁぐちを様々な方法で継承するための取り組みがあるが、新唄大賞がうちなぁぐちの継承につながるというのは本当に素晴らしいことだ。
・このパンデミック期だからこそ音楽が人を癒し勇気づけてくれる訳で、そこにうちなー民踊の存在感をしっかり示し、県民の心を沖縄の言葉と音楽がゆったりとさせる! そんな効用があったのでは。
ラジオ沖縄 令和3年度 第2回番組審議委員会議事録
- ◇令和3年5月21日(金) 委員各位へ審議番組音源、資料送付
- ◇開催場所:委員各位の自宅等
- ◇委員総数:7名 出席委員:5名
- 出席委員:委員/新城和博委員長、新城亘、長勝也、ぐしともこ、長嶺栄子
- ◇放送事業者側出席者: 制作報道部・番組審議室 報道部部長兼番組審議委員会事務局長 小磯誠
制作報道部番組審議委員会/小橋川響
- ◇審議議題:「琉球トラウマナイト かんこどりのなく夜」聴取合評
- ◇毎週月曜~金曜21:55~22:00放送の番組「琉球トラウマナイト かんこどりのなく夜」5回分の放送内容について、各委員からレポートを提出していただいた。
局側説明
- あの世とこの世は対極にあるのではなく、むしろ背中合わせに存在しています
その曖昧な境界線では、あちらの存在が今夜もこちらの世界に顔を出す
ほら、アナタの後ろで・・・
沖縄の身近にある風習や不思議な話など、真面目に、楽しく、わかりやすく、
時にはゾゾゾとさせる番組
パーソナリティー 神崎英敏 かんざきひでとし(俳優)
小原猛 こはらたけし(ライター)
試聴回
① 第 1回 キツネ憑き (2021.3.29)
② 第 4回 アマビエとビタン (2021.4. 1)
③ 第 8回 犬の遠吠え (2021.4 .7)
④ 第 9回 人魚の話 前編 (2021.4 .8)
⑤ 第37回 コメント拾い その2 (2021.5 .18)
まとめ
・実際の体験談だけでなく文献資料に基づいた民俗学的な内容もあり興味深い。
・「うとぅるさむんや みーぶしゃむん(恐ろしいものは見たくなるもの)」と言いますが、聞きたくもなる。
・コロナ禍のなかで知名度を上げたアマビエと関連して、似た性質を持つ地元の存在を語るなど、奥深く楽しい話がいっぱいあるのだなぁと楽しんで聞ける。
・怪談のあとにきちんとコメントがあって親近感が湧くように感じた。怪談を踏まえて近しい話などを織り交ぜることによってより現実味を帯びて話が聞ける内容となっている。
・効果音やエフェクトなどが多用され引き込まれた。トーク部分も会話形式で怪談との抑揚ができてより聞きやすく感じた。
・波の音、鳥の羽音など不気味な雰囲気が漂い、内容にそって効果音を挿入されているので想像をかきたて物語に入りやすい、わずか5分間に恐怖番組の特性がいろいろ工夫されていると感じた。
・取り上げられている話題では怖さの中に自然破壊や環境破壊への教訓などが取り入れられており、人間が学ばなければならないことが入っていると感じた。
・パーソナリティ二人のトーク中も頻繁にBGMと効果音が同時に使用されているため、番組の雰囲気を醸し出しているパーソナリティの声が生かされていないように感じる。トーク中は、効果音のみで、BGMなしでも十分雰囲気があるのでは。
・5分だと物足りない。もう少し時間があるともっと楽しめるかと思う。
・中には退屈な話もあった。5分間の番組だからこそ印象に残る内容にしなくてはならないし、それを意識した番組作りをしてほしい。
・本当にあった怖い話と沖縄の妖怪や言い伝え、マジムン(魔物)の話の割合をどのようにしたらリスナーにとって需要を満たすのか、そのあたりは検討してみるとよいのではないかと思う。
ラジオ沖縄 令和3年度 第1回番組審議委員会議事録
- ◇令和3年4月23日(金) 委員各位へ審議番組音源、資料送付
- ◇開催場所:委員各位の自宅等
- ◇委員総数:7名 出席委員:5名
- 出席委員:委員/新城和博委員長、新城亘、島田勝也、長勝也、ぐしともこ
- ◇放送事業者側出席者: 制作報道部・番組審議室 報道部部長兼番組審議委員会事務局長 小磯誠
制作報道部番組審議委員会/小橋川響
- ◇審議議題:「令和3年度ラジオ沖縄番組編成に関する合評」
- ◇議事の概要:令和3年度4月からのラジオ沖縄の番組編成について、各委員からレポートを提出していただいた。
局側説明
- 新年度がスタートしました。今回は今年度春の番組改編について委員の皆さまのご意見をお伺いしたいと思います。
今回の編成には大きく分けて2つのポイントがあります。1つはプロ野球ナイターを週2回放送から週1回、金曜日のみの放送としたこと。もう1つは開局以来、初めて24時間放送となったことです。以下、簡単ではありますが、整理しご説明します。
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【1】 プロ野球ナイター週1回、金曜日のみの放送へ
➀これまで毎週(木)(金)の週2回放送していたナイター中継を毎週金曜日のみの放送へと編成しました。全国的にテレビも含めてスポンサー獲得が難しくなっていることや、フランチャイズ化も進み、また、スポーツ専門チャンネルの増加など、好きなチームやプロ野球に限らず様々なスポーツを自由に観戦できるようになったことが背景にあるようです。こうしたことなどから、週1回の放送へと舵を切りました。
②週1回の放送に合わせ、ナイターオフの毎週金曜日の夜に放送していた(20時~22時)前社長で、現在は取締相談役の森田明がディレクター時代の経験も踏まえ、パーソナリティとして担当した「あきらキラキラ金曜日」が注目を集めたことから、ナイターオフにレギュラー化すべく番組を継続させる意味合いから、「あきらキラキラ木曜日」として録音で毎週木曜日(19時~20時)に放送し、引き続き、ポップスや歌謡曲ファンの要望に応える編成としました。
【2】 開局後初の24時間放送(月曜日~金曜日)
➀ラジオ沖縄では過去に28時まで23時間放送を行ったことはありますが、現在は27時(午前3時)の放送で、25時から27時までの2時間は老舗番組の「オールナイトニッポン」を放送しています。しかし、時代のニーズに合わせることと、
新たなファン獲得なども目指し、27時からは「オールナイトニッポン」の2部にあたる「オールナイトニッポン0(ゼロ)」などを同じくニッポン放送からネット中継し、新たなサービスを展開しています。開局後初の24時間放送による今後の展開に期待をしているところです。
【3】 琉球トラウマナイト「かんこどりのなく夜」
(月曜日~金曜日:21時55分~22:00)
➀ 沖縄テレビの「琉球トラウマナイト」のラジオ版。琉球怪談作家として数々の著書を持つ小原 猛氏と、「琉球トラウマナイト」に多数出演の俳優、神崎 英敏氏の2人をパーソナリティに、映像とはまた違った、耳から伝わる恐怖を味わってもらう番組です。YouTube、Podcastも配信中で、新たなファン層の獲得につながることが期待されています。
まとめ
・大きな変化はないという印象だが、コロナ禍のなかでラジオ局は苦境に立たされていると感じる。
・一方でSNSの発信と、きわめて公共性の強いマスメディア、ラジオの発信はまだまだ重要な存在であると思った。
・スポーツファンの多様化が進むなか、野球観戦の環境は日々変化している。野球に特化したテレビチャンネルやスマホでの視聴なども増え、観戦環境の変化に応じて、打ち切りはやむないと思う。
・スポーツファンの多様化に合わせて、マイナースポーツの解説付きのラジオ放送も実験的にあれば、それぞれのスポーツのファンもラジオに取り込める施策になるのではと思う。
・「あきらキラキラ木曜日」この番組はリスナー一人一人の過去の記憶の世界がどんどんと広がる入り口を提供している。70~80年代の洋楽に親しんだ世代にとって居ながらにして青春の頃に連れて行ってくれる。
・開局初となる24時間放送が始まるにあたり「オールナイトニッポン0」の追加放送は、夜間に仕事や勉学にいそしんでいる方々にとっては、励みになると思う。
・琉球トラウマナイトについて、幾つになっても怖いものは恐い。好き嫌いはあるが、インパクトのある番組。怖いもの好きにはたまらないと思う。ある意味のメディアミックスということも評価できる。
・「琉球トラウマ」については期待していたほどの恐怖感はなかった。最初は怪談話のように聞こえたが、民俗学的な視点での客観的な話なのだと理解した。
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